2010 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキチン化修飾によるペルオキシソームマトリクスタンパク質輸送の調節機構
Project/Area Number |
21770117
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
奥本 寛治 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教 (20363319)
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Keywords | タンパク質輸送 / 翻訳後修飾 / ペルオキシソーム |
Research Abstract |
ペルオキシソーム形成因子(ペルオキシン)の一つであるPex5pは、ペルオキシソーム移行シグナル1型(PTS1)の細胞質レセプターである。Pex5pは細胞質とペルオキシソーム間を行き来するシャトルレセプターとして機能し、ペルオキシソームマトリクスタンパク質輸送における鍵分子である。これまでに、RINGフィンガーを持つ2つのペルオキシソーム膜局在性ペルオキシンPex10pおよびPex12pからなる複合体が、Pex5pのユビキチン化修飾を触媒するE3として機能し、ペルオキシソームマトリクスタンパク質輸送を制御することを明らかにしてきた。 本研究では、ユビキチン化修飾を介したペルオキシソームマトリクスタンパク質輸送制御の詳細な分子機構を明らかにすることを目的として、ユビキチン化Pex5pに結合する新規因子の探索を行った。平成21年度に単離した新規Pex5p結合タンパク質(P5BP1と命名)の解析を進め、P5BP1が細胞質に主に局在するタンパク質で、そのN末領域でPex5pと結合することを見出した。P5BP1のsiRNAによるノックダウンは軽度のペルオキシソームマトリクスタンパク質輸送阻害を示したことから、P5BP1は細胞質でPex5pと相互作用してペルオキシソームマトリクスタンパク質に関与する新規因子であることが判明した。一方、P5BP1はペルオキシソーム膜上におけるPex5pユビキチン化修飾に関与する可能性は低いことが明らかとなり、ユビキチン化Pex5pを認識する因子は他に存在すると考えられた。
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