2009 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト基本転写因子TFIIEの完全長複合体のNMR法による立体構造解析
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21770121
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
奥田 昌彦 Yokohama City University, 生命ナノシステム科学研究科, 特任助教 (60448686)
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Keywords | 転写 / 遺伝子発現 / 立体構造 / NMR / タンパク質 |
Research Abstract |
真核生物においてタンパク質をコードする遺伝子の転写はRNAポリメラーゼIIが行うが、開始時には、基本転写因子と呼ばれる5つのタンパク質が必要で、TFIIEはそのうちの1つである。これまでにヒトTFIIEの3つの機能上重要なドメインの立体構造を解明してきたが、本研究ではインタクトな完全長複合体の溶液中における立体構造情報を得るためにNMR法を用いて解析を行った。 ヒトTFIIEαβ複合体の安定同位体標識試料を大量に調製するために、大腸菌の生細胞発現、及び大腸菌無細胞発現を検討した。その結果、生細胞での共発現系が最適であることが分かった。TFIIEαβ複合体は約84kDaの高分子量のため横緩和時間(T2)が短く、シグナル感度が著しく低下してしまう。これを改善するために通常の^<15>N,^<13>C標識に加えて100% ^2H標識した試料を調製した。NMR試料、及び測定の最適条件を決定後、種々の多次元NMR測定を行い、主鎖シグナルの帰属を行った。2次元^<15>N,^1H-TROSYスペクトルにおいて観測された大部分のシグナルを帰属することができ、特に、分散したシグナルに関しては、ほぼ全て帰属した。それら複合体の化学シフトと、単離して構造決定した3つのドメインの同一条件下での化学シフトとの比較から、各ドメイン構造は複合体中でもほぼ同じ構造で独立して存在していることが示された。また、TFIIEは広範囲に渡って天然変性領域を有していることがわかり、それらの主鎖シグナルおよび側鎖^<13>Cシグナルを帰属することに成功した。
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