2009 Fiscal Year Annual Research Report
脂溶性生理活性物質による翻訳後修飾の制御機構の解明
Project/Area Number |
21770134
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大竹 史明 The University of Tokyo, 分子細胞生物学研究所, 助教 (60447373)
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Keywords | ユビキチン / 転写制御 / 環境 |
Research Abstract |
ダイオキシン受容体(AhR)が基質ERをユビキチン化して蛋白質分解に導く機能と転写制御機能について、その分子機構解明を行った。AhRに相互作用する翻訳後修飾因子として、CBP/p300をこれまでに同定している。また、CUL4BはAhRに相互作用してユビキチン化翻訳後修飾を行う。AhRがリガンドによって活性化された際、蛋白質分解に関与するK48-linkユビキチン化を促進することが明らかとなった。一方、転写を活性化しないアンタゴニストにおいても、AhRのK48-linkユビキチン化を促進するものと、抑制するものとが存在することが明らかとなった。その分子機構として、K48-linkユビキチン化および蛋白質分解と、CBPのリクルートメントが関連することを見出した。すなわち、CBPは異なるリガンドによってAhRへのリクルートが促進あるいは抑制される。すなわち、アセチル化とユビキチン化という異なる翻訳後修飾がAhRの制御においてクロストークすることが明らかとなった。一方、AhRのユビキチン化機能の生理的意義の解明のため、基質の探索を行った。その結果、b-cateninが大腸がん由来細胞においてAhRの基質となることを見出した。AhRはin vivoおよびin vitroでb-cateninをユビキチン化した。したがって、AHRのユビキチンリガーゼ活性は生体内においても役割を有し、その一端は、腸内での代謝物依存的な活性化によるb-catenin分解であることが示唆された。AhRの標的となる基質のさらなる探索のため、AhR相互作用因子を生化学的に精製を進めており、複数のヒストン修飾因子が同定されてきている。以上、AhRの翻訳後修飾における機能的役割の一端を解明した。
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Research Products
(3 results)