2009 Fiscal Year Annual Research Report
血液中のグレリン代謝経路の解明およびグレリン代謝酵素の精製と遺伝子クローニング
Project/Area Number |
21770149
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 元康 Dokkyo Medical University, 医学部, 助教 (20418891)
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Keywords | ペプチドホルモン / グレリン / 酵素 / タンパク質精製 / 脂質修飾 |
Research Abstract |
<グレリン脱アシル化酵素リゾホスホリパーゼIの細胞内における役割> 平成21年度までに遂行した研究により、当該酵素は血清中においてグレリン分解活性を有することが明らかとなった。そこで、マクロファージ様細胞や肝臓腫瘍細胞などの培養細胞を用いてリゾホスホリパーゼの発現調節や分泌機構について検討をおこなった。 1)マクロファージ様細胞RAW264.7ではリポポリサッカライド(LPS)刺激によってリゾホスホリパーゼの発現は低下する一方で、細胞外に分泌される当該酵素の量は増加していた。 2)肝臓腫瘍細胞Hepa-1ではRAW264.7で観察されたLPS依存性は確認できなかった。しかし、無刺激の条件でも細胞外にリゾホスホリパーゼが微量に存在していることを明らかにした。 これらのことから、リゾホスホリパーゼは炎症反応などにより発現調節を受けており、細胞外の活性化型グレリン濃度をコントロールしていると考えられる。 <血漿由来グレリン脱アシル化酵素の精製とcDNAクローニング> 血清だけでなく血漿にもグレリン脱アシル化酵素の活性を確認した。 1)当該酵素を含む画分にはリゾホスホリパーゼは検出されない。 2)当該酵素の部分精製標品を用いた解析から、補体分子が関連するものと推察された。 今後はこの新規グレリン脱アシル化酵素の同定をおこなう予定である。 <グレリン分解産物による受容体活性化> 血漿中でグレリンはプロテインCにより切断を受けることを見いだした。それらのグレリン分解産物について、グレリン受容体であるGHSR1aに対する活性化能を確認するために受容体レポーター遺伝子アッセイ系を構築した。予備的な実験により、グレリンはGHSR1a依存的にいくつかの核内転写因子の活性化を誘導することが明らかとなったため、今後はこれらのシグナル伝達経路について詳細な解析を進める。
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Research Products
(4 results)