2010 Fiscal Year Annual Research Report
血液中のグレリン代謝経路の解明およびグレリン代謝酵素の精製と遺伝子クローニング
Project/Area Number |
21770149
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 元康 獨協医科大学, 医学部, 助教 (20418891)
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Keywords | ペプチドホルモン / グレリン / 酵素 / タンパク質精製 / 脂質修飾 |
Research Abstract |
<グレリン脱アシル化酵素リゾホスホリパーゼIの細胞内における役割> 1)これまでに遂行した研究により、マクロファージ様細胞RAW264.7ではリポポリサッカライド刺激によってリゾホスホリパーゼの発現は低下する一方で、細胞外に分泌される当該酵素の量は増加していた(Satou, Endocrinology, 2010)。 2)交感神経細胞様に分化する培養細胞PC12において神経成長因子刺激はリゾホスホリパーゼの発現を低下させることがわかった。 これらの実験結果から、リゾホスホリパーゼは細胞機能の変化や細胞分化に際して発現量が調節されていることが明らかとなった。 <血漿由来グレリン脱アシル化酵素の精製とcDNAクローニング> 血清だけでなく血漿にもグレリン脱アシル化酵素の活性を確認した。 1)当該酵素を含む画分にはリゾホスホリパーゼは検出されず、酵素の生化学的な性質も異なる。 2)当該酵素の部分精製標品を用いた解析から、補体分子が関連するものと推察された。 現在までに、この新規グレリン脱アシル化酵素を精製を継続している。 <グレリン分解産物による受容体活性化> グレリンは血漿中で短縮型グレリンに分解される。それらのグレリン分解産物について、グレリン受容体であるGHSR1aに対する活性化能を確認するために受容体レポーター遺伝子アッセイ系を構築した。その結果、いずれの分解産物もグレリン受容体を活性化しうるが、これまで知られでいない活性化経路の存在が示唆された(第33回日本分子生物学会年会)。
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Research Products
(4 results)