2009 Fiscal Year Annual Research Report
小胞体関連分解(ERAD)によるヘムオキシゲナーゼの機能制御機構の解明
Project/Area Number |
21770152
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
東元 祐一郎 Kurume University, 医学部, 准教授 (40352124)
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Keywords | ヘムオキシゲナーゼ / ユビキチン / 小胞体関連分解 |
Research Abstract |
生体内において、一酸化窒素(NO)のみならず一酸化炭素(CO)が、ガス状のシグナル伝達分子として働き、抗炎症作用や細胞保護作用、血管拡張作用など様々な生物作用を有することが明らかになりつつある。ヘムオキシゲナーゼ(HO)は、生体内で代謝的にCOを生成する唯一の酵素であり、内因性のCOの大部分は、HO反応によって生成される。一方で過剰のCO生成は生体毒となるため、COの発生源であるHOの活性は厳密に制御されていると考えられるが、その詳細は明らかではない。小胞体関連分解(ERAD)は、小胞体品質管理機構の一つであり、小胞体の内腔に生じたミスフォールディングタンパク質を小胞体からサイトゾルに逆輸送し、サイトゾルにおいてユビキチンを付加したのち、プロテアソームによって分解するシステムである。近年、ERAD系の役割は、小胞体膜上に存在する代謝酵素群のdown regulationにも関与していることが明らかになった。これは、HOが主として小胞体に局在している酵素であることから、非誘導型のHO-2の活性もERAD系によって制御されている可能性があることを強く示唆する。そこで、本年は、HOの分解がERAD系を介するのかどうかを検証するため、まず、哺乳細胞系でのHOの強発現系の構築を試みた。まずHO-1およびHO-2のcDNAをpcDNA3.1/His-TOPO vectorに組み込み、HEK293ヘトランスフェクトした。細胞抽出液をSDS-PAGE後、抗HO-1および抗HO-2抗体でウエスタンブロットしたところ、目的タンパク質が強発現されていることが確認された。一方、大腸菌から大量発現、精製したHOタンパク質を用いて、in vitro ubiquitination assayを行ったところ、HO-1,HO-2ともに、ユビキチン化されることが明らかになった。
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Research Products
(18 results)