2010 Fiscal Year Annual Research Report
小胞体関連分解(ERAD)によるヘムオキシゲナーゼの機能制御機構の解明
Project/Area Number |
21770152
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
東元 祐一郎 久留米大学, 医学部, 准教授 (40352124)
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Keywords | ヘムオキシゲナーゼ / ユビキチン / 小胞体関連分解 |
Research Abstract |
生体内において、一酸化炭素(CO)が、ガス状のシグナル伝達分子として働き、抗炎症作用など様々な生物作用を有することが明らかになりつつある。ヘムオキシゲナーゼ(HO)は、生体内で代謝的にCOを生成する唯一の酵素であり、内因性のCOの大部分は、HO反応によって生成される。一方で過剰のCO生成は生体毒となるため、COの発生源であるHOの活性は厳密に制御されていると考えられるが、その詳細は明らかではない。HOは、小胞体膜に局在している酵素であることから、特に非誘導型のHO-2の活性は小胞体関連分解(ERAD)によって制御されていると考えられる。前年度までの研究により、HO-2がin vitroにおいて高度にユビキチン化されることを明らかにした。そこで、本年度は、HO-2に特有の構造である、N末端側の延長配列に着目し、分解シグナルの探索を行った。Human HO-2の1-20アミノ酸残基のN末端にCys残基を導入したペプチドCys-hHO-2(1-20)をFmoc法により合成した。合成ペプチドをSulfoLink resinに固定化し、プラセンタ抽出液と混合させ、尿素処理によって結合タンパク質を溶出した。SDS-PAGEによって確認した結果、いくつかのタンパク質の特異的な結合が見られた。同様に、HO-2のcDNAをpcDNA/His-TOPO vectorに組み込み、HEK293細胞にトランスフェクトして作成した細胞抽出液を用いて同様の実験を行った。現在、質量分析法によるペプチドマッピングを行っている。
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