2010 Fiscal Year Annual Research Report
トランスサイレチン中性子結晶構造解析によるアミロイド繊維化の解明
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21770159
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
横山 武司 茨城大学, フロンティア応用原子科学研究センター, 産学官連携研究員 (50524162)
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Keywords | 構造生物学 / 中性子結晶構造解析 / アミロイドーシス |
Research Abstract |
本研究はトランスサイレチンの中性子結晶構造解析を行いアミロイド繊維化の仕組みを水素原子・プロトンを観測する事による構造生物学の見地から解明する事であり、平成22年度は主にトランスサイレチンの大型結晶化、試験的中性子露光実験及び中性子回折データ収集を行った。トランスサイレチンの大型結晶化は400μlのタンパク質溶液に対して5mlの沈殿剤母液(クエン酸三アンモニウム等)を用いた蒸気拡散法で、なお且つ全て重水置換した溶液を用いて行い、約3ヶ月間20℃で静置した後2.5mm^3程度の大きさまで成長した。この結晶を用いてJ-PARC MLF BL-03 iBIXで試験的中性子露光実験を行った結果、目視で最高分解能2.6Åの回折点の観測に成功した。さらに11月~1月のiBIXマシンタイムを利用して回折データ収集を行い、二種類の波長領域(2.5-6.5Å、5.0-9.0Å)でそれぞれ40セットのデータを得る事に成功した。露光時間はそれぞれJ-PARC加速器の出力120kw換算で20時間と4時間であり、短波長領域で測定したデータでは目視で最高分解能2.2Åの回折点を観測する事が出来た。これらのデータの予想完全性は93%を超えるものであり、十分に構造解析可能なデータであると言える。そしてこれらの研究成果について日本生物物理学会第48回年会で成果発表を行った。来年度は研究実施計画通りにこれらの積分強度計算等のデータ処理、立体構造解析、論文執筆等を行いつつ、トランスサイレチンとリガンドであるサイロキシン複合体の大型結晶の作成に取り組み、中性子回折データ収集する予定である。
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