2009 Fiscal Year Annual Research Report
プロトン駆動力で回転するATP合成酵素を1分子技術とマイクロデバイスで可視化する
Project/Area Number |
21770168
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
飯野 亮太 Osaka University, 産業科学研究所, 助教 (70403003)
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Keywords | 分子モーター / 1分子計測 / マイクロデバイス / プロトン駆動力 / 膜タンパク質 |
Research Abstract |
本課題は、回転モータータンパク質であるF_0F_1-ATP合成酵素(F_0F_1)のプロトン駆動力(脂質二重膜を介する膜電位差、プロトン濃度差)による回転を直接観察し、その性質の詳細を調べることを目的とする。本課題に先駆けて行ったこれまでの研究で(若手研究B、研究課題番号 : 18770134)、基盤支持脂質二重膜(サポーテッド膜)へのF_0F_1の再構成およびATP加水分解による回転の1分子観察に成功しており、その成果を基盤としてさらに発展させた。 本年度は、サポーテッド膜に再構成・固定したF_0F_1に膜電位やプロトン濃度差を安定に印加する計測システムの構築を試みた。具体的には、アガロース上に形成したサポーテッド膜の一部を、ガラスマイクロイペットや微小開口を持つPDMSシートを用いて高い抵抗値でシールする条件の検討を行った。 ガラスマイクロピペット表面のpolydimethylsiroxiane (PDMS)によるコーティングの厚みや、サポーテッド膜を支持するアガロースレイヤーの厚みを様々に試した結果、10MΩ程度の膜抵抗値がこれまでに得られた。また、微小開口を持つPDMS自身をガラスマイクロピペットの代わりに用いた場合にも、同程度の膜抵抗値が得られた。 今後は、開口径のさらなる微小化(<5マイクロメートル)や、マイクロピペットをコーティングする素材または微小開口を形成する素材の検討等を行い、100MΩ以上の膜抵抗値を達成する。その後、低濃度のATPを分解しながら回転するF_0F_1を含むサポーテッド膜を実際にシールして膜電位の印加を行い、回転速度に変化がみられるかを検討する。
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Research Products
(17 results)
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[Journal Article] Visualization of ATP levels inside single living cells with fluorescence resonance energy transfer-based genetically encoded indicators2009
Author(s)
Imamura, H., Huynh Nhat, K.P., Togawa, H., Saito, K., Iino, R., Kato-Yamada, Y., Nagai, T., Noji, H.
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Journal Title
Proc Natl Acad Sci USA. 106
Pages: 15651-15656
Peer Reviewed
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