2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21770170
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
渡邉 朋信 Osaka University, 免疫学フロンティア研究センター, 特任助教 (00375205)
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Keywords | 生物物理 / ナノバイオ / フォトニック結晶 / 可視化 / 1分子計測 |
Research Abstract |
本年度は、顕微鏡観察において、細胞膜などの微細構造を高コントラストで実時間観察することを目的として、請者は、偏光板を回転させる事なく、偏光像を取得する為に、フォトニック結晶を用いた軸対象偏光を利用した、全方位偏光顕微鏡の開発を行ってきた。 顕微鏡には、レーザー光が設置された蛍光顕微鏡を用い、全反射照明が可能な光学系を構築し、上記顕微鏡に組み込んだ。入射側のフーリエ面にアジマス偏光、結像側のフーリエ面にラジアル偏光を作るフォトニック結晶を配置した。それぞれの偏光板は、入射側、結像側共に、瞳の位置に設置することが、コントラストを向上させる。対物レンズの瞳の位置に、上記偏光板を設置することは、物理的に不可能であるため、顕微鏡には、使用する対物レンズが作る像を、さらに、伝達するリレー光学系を付加した。観察試料の蛍光と反射光とを分けるために、上記リレー光学系はダイクロイックミラーを含み、同一のCCDカメラにて、反射光(偏光像)と蛍光(蛋白質の局在を示す像)を映し出せるように設計・構築した。 上記光学系において、全方位の偏光を検出できるはずであったが、実際には出来なかった。透過照明を用いて同様の顕微鏡を構築した場合には、全方位の偏光を検出できたことから、全反射光を用いたことが、失敗の原因であると考えられる。全反射光は、それだけで偏光を生み出すことが、主な要因であると予想される。 今後は、全反射照明を用いない反射型の全方位偏光顕微鏡を構築、あるいは、蛍光蛋白質は全反射顕微鏡で観察し、細胞膜は透過照明を用いて観察するなど、目的達成のための他の試みを行う必要がある。
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