2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21770170
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
渡邉 朋信 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任助教 (00375205)
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Keywords | 生物物理 / ナノバイオ / フォトニック結晶 / 可視化 / 1分子計測 |
Research Abstract |
本研究課題では、細胞運動における細胞形状の形成メカニズムの解明のため、新規光学技術の開発する。特に、全方位偏光光学の開発に挑んできた。全方位偏光光学は原理検証できる程度には開発できたが、使用するフォトニック結晶の波長依存性などが問題となり、残念ながら実用レベルには到達せず、本助成終了後、引き続き問題解決に挑む。磁気ビーズによる力・蛍光同時観察顕微鏡に関しては、他事業により完成された。この顕微鏡装置に、全方位偏光光学系を組み込む予定であったが、全方位偏光光学系の完成が成されなかった為、行われなかった。しかし、磁気ビーズによる細胞膜の力と蛋白質の運動解析を行う生物実験系の構築は終了している。申請時には、ビーズ表面をグルタチオンなどでプラス荷電を加え、静電相互作用によって、ビーズと細胞膜を結合させるとしていたが、実際には、精製したカドヘリンを磁気ピースに架橋して、細胞膜と結合させ、モデル実験系ではあるが、細胞膜の堅さを測りながら、細胞内のカドヘリンの集合を観察できている。 上述したように幹となる技術開発が予想以上に困難であった。そこで、上位目的である細胞形状の形成メカニズムの解明に関する研究開発を平行して行ない、助成が実になるように配慮した。具体的には、フィロボディア伸長に必須であるモーター蛋白質ミオシンXの一分子観察の為の実験系を確立し、フィロボディア形成初期、伸長時、短縮時におけるミオシンXの挙動を定量化し、ミオシンXにおけるフィロボディア伸長機構の作業モデルの構築を行った(J Biol Chem.,285,19605)。さらに、新規光学系の開発に関して、細胞膜をナノメートル精度、かつ、実時間観測することが目的であったことから、細胞膜を実時間観察するための超解像顕微鏡技術の開発を行なってきた。本研究課題により開発された超解像法により、細胞膜の運動を90nm/80msの時空間分解能で観察する事に成功した(Biophys.J.,99,L50-52)。
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Research Products
(2 results)