2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21770174
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
上久保 裕生 Nara Institute of Science and Technology, 物質創成科学研究科, 准教授 (20311128)
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Keywords | クラスリン被覆小胞輸送 / X線溶液散乱 / ドメイン配置構造 |
Research Abstract |
本申請研究では、X線溶液散乱測定法を活用することで、「構成要素である蛋白質(ドメイン)の状態変化」、及び、「蛋白質集団の性質を決定する蛋白質の離合集散過程」を構造学的に解析し、これらの事象を互いに関連づけることで、階層縦断的に蛋白質ネットワークシステムの理解を目指している。 これまで、ヒト由来のクラスリン被覆小胞輸送に関与するアダプター蛋白質(GGA)をモデル系として、研究を行ってきた。GGAは本来、3つのドメインからなるマルチドメイン蛋白質である。しかしながら、精製上の問題から、N末端に存在する2つのドメインからなるGGA断片使用せざるを得なかった。近年、DroshophilaからもGGA類似蛋白質が存在することが明らかとなり、全長での解析を進めるために、Drosophila由来の全長GGAの発現系を構築し、精製条件の検討を行った。その結果、GST融合蛋白質として発現し、GSTカラムを用いて精製後、PreScission Proteaseを用いた限定分解の結果、800mlあたり、数mgの全長GGAを精製することに成功した。 動的光散乱測定を行った結果、単量体で存在していることが示唆され、今後は、全長GGA蛋白質を用いた検証実験を展開していく。
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