2009 Fiscal Year Annual Research Report
PASドメインタンパク質の多様な情報伝達は共通の機構で駆動しているか?
Project/Area Number |
21770175
|
Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
山崎 洋一 Nara Institute of Science and Technology, 物質創成科学研究科, 助教 (40332770)
|
Keywords | 光生物学 / シグナル伝達 / PASドメイン |
Research Abstract |
PASドメインタンパク質の機能発現機構の駆動原理の提示を行うため、青色光受容タンパク質のPYPタンパク質をモデルとして、PASドメイン共通構造に内在するタンパク質構造変化様式を明らかすることを目的に、平成21年度は、性質の異なる2種類のPYP(Hh-PYP : Halorhodospira halophila由来PYP、Rc-PYP : Rhodobacter capsulatus由来PYP)のうち、Rc-PYPを材料に、1) 情報伝達における相互作用タンパク質との結合に必要な部位の抽出と、2) 2種類のPYPの特徴的な吸収スペクトルの違いをうむ機構について検証した。その結果、1) Hh-PYPにおいて構造変化等重要な機構を担う、N末端部位の欠損変異体をRc-PYPに導入したところ、相互作用能の著しい低下を確認した。しかし、相互作用自体は保持されており、N末端部位が効率的な結合に必須な領域であることが示された。このことは、N末端配列が直接的な結合部位の一部を形成しているか、結合構造の保持に必須であることを示す。Hh-PYPと同様にN末端部位に機能発現の制御部位が存在していることが考えられる。また、2) 吸収スペクトルの違いに関しては、発色団の分子内プロトン移動によって実現されていることが示された。2つのPYPは発色団環境の微細な変化を利用して、同じ発色団、補欠分子を用いて、異なる性質を獲得していることが示された。
|
Research Products
(4 results)