2010 Fiscal Year Annual Research Report
Cdc7タンパク質リン酸化酵素の姉妹染色体接着における機能
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21770186
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高橋 達郎 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教 (50452420)
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Keywords | 染色体分配 / 姉妹染色体接着 / コヒーシン / Cdc7 kinase / Scc2-Scc4 / 染色体 / アフリカツメガエル |
Research Abstract |
細胞が増殖し正しく機能するには、遺伝情報を正確に複製し、娘細胞に正確に伝達することが必須である。染色体の正確な分配には染色体複製によって生じた姉妹染色体の正確な同定が必要である。この目的のために、姉妹染色体はDNA合成に伴ってコヒーシン複合体により接着される。コヒーシンは姉妹染色体の接着だけでなく、DNAの損傷修復や転写の制御にも機能する。コヒーシンが染色体に結合するにはScc2-Scc4複合体が必要であり、Scc2-Scc4はコヒーシンの染色体結合制御を介して姉妹染色体接着や転写制御等に機能すると考えられている。従って、Scc2-Scc4が染色体に結合する反応は、コヒーシンの多様な機能を制御する鍵となる反応であると考えられる。しかしながらScc2-Scc4の染色体結合機構は、これまでほとんど理解されていなかった。 我々はこれまでに、ツメガエルScc2-Scc4の染色体結合がDNA複製開始反応により制御されることを報告してきた。我々の以前の解析から、DNA複製開始に必須の蛋白質リン酸化酵素であるCdc7はScc2-Scc4と同じ複合体に含まれ、Scc2-Scc4の染色体結合に必要であることが分かっていた。本研究ではCdc7がScc2-Scc4と直接相互作用することを新たに見いだした。Cdc7とScc2-Scc4の相互作用にはScc2とScc4の複合体形成が必要であった。さらにScc2のN末端110アミノ酸領域(Scc2N110)はScc4およびCdc7との相互作用に十分であった。これらの結果から、Cdc7はScc2N110-Scc4領域との相互作用を介してScc2-Scc4を染色体に結合させ、DNA複製と姉妹染色体接着を機能的に結びつけていると考えられる。
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