2009 Fiscal Year Annual Research Report
開始蛋白DnaAが形成する高次複合体のATP依存活性化メカニズム
Project/Area Number |
21770187
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
尾崎 省吾 Kyushu University, 薬学研究院, 助教 (70510147)
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Keywords | DNA複製開始 / AAA+ / 構造変化 / 構造・活性相関 / 高次複合体 |
Research Abstract |
細胞生物のゲノム複製は複製開始点の2重鎖DNAを1本鎖に緩めることで開始される。この反応は開始蛋白質が複製開始点で形成する動的な高次複合体中で起こる。この高次複合体の形成様式と構造変化を理解することは、ゲノム複製開始反応の遂行とその制御メカニズムを解明する上で非常に重要である。研究代表者は2重鎖DNAの1本鎖化メカニズムを明らかにすることを研究の全体構想としており、特に当面の目標として、開始蛋白DnaAが形成する高次複合体の形成様式とその構造変化制御についての理解を目指した。 i. 改変型tmaDnaAの構築、精製 研究代表者はtmaDnaAの過剰発現プラスミド内のDNA結合ドメインをコードする領域を大腸菌DnaAのものと置換した。このプラスミドを精製し、大腸菌に導入し、目的蛋白を過剰発現できることを確認できた。よって、改変型tmaDnaAの大量発現株を構築できたと考えた。この変異蛋白は野生型に比べて可溶性が減弱した。現在、可溶化条件の検討を行っており、検討後精製を迅速に進める予定である。 ii. 変異tma-oriCの構築、解析 部位特異的に変異をもつtma-oriCプラスミドを網羅的に構築した。tmaDnaAが形成する開始複合体の機能構造を知るために、この変異体を用いてoriCの機能構造の解析を進めた。5つのDnaA結合配列の全てが、開始複合体の形成に必須であった。結合配列の配向性も開始複合体形成に必須だった。また、ゲルシフト解析により、個々のDnaA結合配列の役割を明らかにすることができた。その他の結果も総合し、現在論文執筆中である。
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