2010 Fiscal Year Annual Research Report
ノンコーディングRNAの大量発現が引き起こす染色体異常の解明
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21770193
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
飯田 哲史 国立遺伝学研究所, 細胞遺伝研究系, 助教 (60391851)
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Keywords | ノンコーディングRNA / サイレンシング / RNA干渉 / 分裂酵母 |
Research Abstract |
真核生物の染色体のいたるところから発現している翻訳されないRNA(noncodihg RNA : ncRNA)は、RNA監視機構などにより迅速に分解されることが解ってきた。RNA監視機構の異常は、ncRNAの異常蓄積とゲノムの不安定化を誘発する。逆に、そのようなncRNAの過剰な蓄積がどのように遺伝子発現やゲノムの安定性に影響を与えているかについては不明である。本研究では、分裂酵母を用いて染色体上のレポーターであるura4^+遺伝子座にncRNAを人工的に大量に発現するさせる系を確立した。分裂酵母の最も強力なプロモーターであるnmt1pにより、ura4^+遺伝子のアンチセンスRNAを大過剰に発現させると遺伝子の抑制(サイレンシング)が起こること見出した。ncRNA依存的なサイレンシングでは、ヘテロクロマチン構造の指標であるSwi6とピストンH3K9のメチル化が誘導されないことから、ヘテロクロマチンとは異なる仕組みで遺伝子サイレンシングが起こることが示唆された。興味深いことに、本来ヘテロクロマチン依存的なサイレンシングに必要なRNA干渉(RNAi)関連因子がncRNAを過剰発現している細胞の正常な増殖に必要であるが、ncRNA依存的なサイレンシング自体には必要でないことも明らかとなった。本研究により、分裂酵母ではヘテロクロマチン形成に必要な機構と考えられているRNAi機構が、RNA監視機構の一つとして機能しゲノムの不安定化を抑えている可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)