2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21770194
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
渡邊 孝明 National Institute for Basic Biology, ゲノム生態研究部門, 助教 (20421365)
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Keywords | 遺伝子増幅 / ガン / 遺伝子進化 / 逆位反復配列 |
Research Abstract |
当初の計画通り、平成21年度は「天然の遺伝子増幅現象におけるDRCR増幅の役割」を検証するため、長い逆位反復配列(IR)を含む構造を人工的に構築することに取り組んだ。 確実に増幅系を構築するためには、(1)IR構築のために2種類の部位特異的組換系を利用してバクテリア人工染色体(BAC)を2回効率良く染色体に挿入する系、(2)IRを倍加してdicentric chromosomeを形成するための系を確立する必要がある。(1)では、まず転写がactiveなゲノム部位にFRT配列をもつCHO細胞に、FRT配列に加え2度目の挿入で用いるlox配列を配したプラスミドを、Flp発現ベクターと共に導入して薬剤選択により1次挿入株を取得した。次にlox配列をもつプラスミドをCre発現ベクターと共に導入して異なる薬剤により2次挿入株を取得した。ここで予想より多くの時間を費やしたが、組換えにより薬剤耐性遺伝子を活性化するデザイン、2種類の蛍光タンパク質(GFP・mCherry)を利用したスクリーニング方法、非耐性細胞の混在が最小になる薬剤濃度、最短期間で挿入株を得るためのプロトコール、を最適化することに成功した。(2)では、まず実際の増幅系構築にも用いるBACを構築した。これにはセルソーターを用いた増幅細胞の選択を可能にする誘導発現可能なGFP遺伝子、タンパク質生産系への応用を評価するための発現ユニット、増幅選択マーカーDHFR遺伝子、複製開始領域Oriβ等と共に、ゲノムを特異的に切断しヘアピン構造を形成してdicentric chromosomeを形成するtos配列が配置されている。これまで上述のFRT配列をもつCHO細胞にこのBACを導入して1次挿入株を取得し、現在2次挿入株の樹立を行っている。
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Research Products
(2 results)