2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21770198
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊藤 敬 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助教 (50373270)
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Keywords | オートファジー / Rab33 / 膜輸送 / ゴルジ体 / Atg16L |
Research Abstract |
オートファジー(細胞内自食作用)は真核細胞に広く保存された選択性のないタンパク質分解メカニズムであるが、高等真核生物であるほ乳動物では、発生、抗原提示、細胞死、感染菌の駆除など高次機能に関わっていることが示されており、ほ乳動物のオートファジーの分子メカニズムの解明は基礎生物学のみならず医学的にも注目が集まっている。オートファジーでは、隔離膜と呼ばれる膜構造が伸長し、細胞質を包み込んだオートファゴソームと呼ばれる二重膜構造を持つ小胞を形成する。このオートファゴソーム形成はオートファジーに必須な過程であるが、その過程に不可欠な因子としてAtg遺伝子群が同定されている。これまで私は、その一つであるAtg16L1と低分子量Gタンパク質であるRab33とが相互作用を示すことを見いだしたため、Rab33のオートファジーにおける機能を探索してきた。本年度は、Rab33の不活性化因子を同定することで、Rab33がオートファジーにおいてどのような役割を果たしているのかを明らかにしようと試みた。実際、これまで未同定だったRab33不活性化因子として、OATL1というTBCドメインを持つタンパク質を同定した。OATL1の機能未知のタンパク質であったため、OATL1のオートファジーへの関与を検証した。するとOATL1の過剰発現によって、オートファゴソームとリソソームとの融合が阻害されることが明らかになった。同様に、Rab33の活性化型固定変異体を過剰発現する事によっても、オートファゴソームとリソソームとの融合が阻害されることから、Rab33はオートファジーの成熟の過程で機能していることが推測された。
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Research Products
(2 results)