2009 Fiscal Year Annual Research Report
アクチン結合蛋白質トロポミオシン4の紡錘体形成における機能解析
Project/Area Number |
21770200
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西住 紀子 The University of Tokyo, 医科学研究所, 技術専門職員 (30396882)
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Keywords | マウス卵 / トロポミオシン / 紡錘体 / アクチン / 減数分裂 |
Research Abstract |
マウス卵減数分裂から初期胚発生過程の紡錘体極性におけるアクチンフィラメントの機能の分子機構の解明をめざし、アクチン結合蛋白質トロポミオシン4(Tm4)注目して今年度は以下の解析を行った。 はじめにTm4のマウス卵の減数分裂過程における局在変化を明らかにするため、GV期のマウス卵を採取、培養し、経時的に固定し、Tm4抗体を用いて免疫蛍光染色を行った。その結果、Tm4は紡錘体が形成されるに従い、紡錘体上や、膜近傍アクチンチャップに局在することが明らかとなった。また、Tm4のPlk1によるリン酸化サイトの、リン酸化特異的な抗体を作成し、その抗体を用いて免疫蛍光染色を行ったところ、MTOC(微小管形成中心)や紡錘体極にシグナルが見られ、PLK1と局在が一致しており、Tm4が紡錘体形成に関与する可能性が示唆された。 さらに、マウス卵でのTm4の機能を明らかにするため、マウス卵へのモルフォリノアンチセンスオリゴもしくはsiRNAを導入することによりTm4の発現抑制を行い、紡錘体の形成、動態に対する影響の解析を試みている。今年度は、マウス卵での紡錘体微小管を可視化するためEGFP融合α-tuburinを、染色体を可視化するためDSRed融合ヒストンH2Bを発現するmRNAを合成し、マウス卵にインジェクションし、time-laps観察出来る系を確立した。また、アクチンの動態を可視化するためmCherry融合Utropinを発現するベクターも作成し、現在解析中である。一方で、モルフォリノアンチセンスオリゴとsiRNAをデザインし、マウス培養細胞を用いて蛋白発現抑制効果を調べた所、蛋白の発現を半分程度抑制する事を確認した。次年度は、このsiRNAを用いてマウス卵において発現抑制を試み、紡錘体や染色体の動態を観察する事で、マウス卵減数分裂時の紡錘体極性でのTm4の機能を解析する予定である。
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Research Products
(3 results)