2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21770213
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小田 裕香子 神戸大学, 医学研究科, 助教 (70452498)
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Keywords | 細胞間接着 / トリセルラータイトジャンクション / 細胞骨格 / アクチン / トリセルリン |
Research Abstract |
上皮細胞は分け隔てられた異なる環境を維持するために、バリア機能を備えている。バリアはタイトジャンクション(TJ)と呼ばれる細胞間の接着装置によって担われる。TJがバリア機能を発揮するためには細胞の全周囲をシールする必要があるが、これまでTJ研究は、隣り合った2細胞間の接着に焦点を当てて進められて来た。上皮細胞シート内には、2細胞間接着ではカバー出来ない、3細胞が出会う3細胞間間隙が存在する。これまで3細胞間の結合に関する知見は乏しかった。しかしながら、近年トリセルラーコンタクトが白血球細胞や血行性転移癌細胞の通り道として利用されることが報告され、トリセルラージャンクションが重要な機能を担う可能性が出て来た。本研究では、これまでほとんど解析されていなかった3細胞間間隙における接着機構および裏打ち細胞骨格制御機構に迫った。トリセルラージャンクションの裏打ちに配向する細胞骨格系の解析を行ったところ、トリセルリンが3細胞間接着装置におけるアクチン制御に関わることを見出した。すなわち、トリセルリンノックダウン細胞において、トリセルラージャンクションを起点とするアクチン繊維配向の乱れがみられることを見出した。また、トリセルリンに結合して細胞骨格形成に関わる因子を同定した。さらにこれら両者の下流でアクチン編成に関わるsmall Gタンパク質の同定にも成功し、三者がトリセルラージャンクションにおける細胞骨格編成を担い、細胞形態形成に寄与することを明らかにした。これにより、3細胞接着部位における細胞骨格による"細胞の角"の形成機構の手がかりが得られた。
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Research Products
(3 results)