2010 Fiscal Year Annual Research Report
イメージングによるゴルジ体内タンパク質輸送機構の解明
Project/Area Number |
21770215
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
時田 公美 九州大学, 大学院・医学研究院, 学術研究員 (50415296)
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Keywords | 細胞構造・機能 / ゴルジ体 |
Research Abstract |
細胞内小器官である小胞体(ER)とゴルジ体は細胞内の物質輸送において互いに密接に関連しながら重要な役割を果たしている。細胞内に網目状に広がる小胞体表面のリボソームで合成されたタンパク質はCOPII小胞とよばれる輸送小胞にのってゴルジ体へと送り出され、ゴルジ体のシスからトランス槽へと通り抜ける間に段階的に修飾・選別されてそれぞれの目的地へと運ばれていく。小胞体・ゴルジ体を通って分泌されたタンパク質は細胞や個体の恒常性の維持に極めて重要である。 小胞体・ゴルジ体は細胞周期に応じて形成と分解をくりかえすダイナミックな細胞小器官であり、その形成・維持にはさまざまな因子がはたらいていると考えられる。しかし、その分子メカニズムに関しては明らかになっていない点が多い。本研究では小胞体・ゴルジ体のダイナミクスについてイメージングを用いた解析を行った。 試験管内で小胞体を再構成する実験系の条件検討を行い、蛍光ラベルしたアフリカツメガエル卵のマイクロソームと哺乳類から調整したサイトゾルを用いて小胞体の網目状の構造を安定して再構成することに成功した。再構成の過程は共焦点顕微鏡を用いてタイムラプス観察することができた。また、サイトゾルを生学的手法を用いて分画し、小胞体の網目状構造の形成に関わる因子を複数発見した。同定した因子のリコンビナントタンパク質を大腸菌で発現・精製し、試験管内再構成系に加えたところ、単独でも網目状の構造形成を促進するものがあった。サイトゾルに含まれる可溶性タンパク質で、小胞体形成を促進する機能を持つものが同定されたのは本研究が初めてのことである。
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Research Products
(1 results)