2010 Fiscal Year Annual Research Report
ゴルジ体形成におけるモノユビキチンシグナルの役割の解明
Project/Area Number |
21770216
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
十津川 剛 九州大学, 医学研究院, 助教 (90399684)
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Keywords | ゴルジ体 / オルガネラ / 形態形成 / ユビキチン |
Research Abstract |
ゴルジ体は、扁平膜積層構造という非常に特徴的な形態を示す細胞内小器官(オルガネラ)であり、その高次構造がゴルジ体の機能と密接に関連していると考えられている。ゴルジ体高次構造の形成機構の解明は、ゴルジ体の機能を理解する上で重要な知見を与えるものである。本研究は、ゴルジ体形成必須因子であるVCIP135に着目し、VCIP135の脱ユビキチン活性の制御機構を明らかにする事により、ゴルジ体形成の分子機構を解明する事を目的として研究をおこなった。これまでにVCIP135の新規結合タンパク質、p87を同定することに成功した。p87の機能を検討したところ、in vitroにおいて、p87がVCIP135のもつ脱ユビキチン酵素活性を活性化させる、という非常に興味深い結果を得た。また、RNAi法や試験管内ゴルジ体再構成実験系などを用いることにより、p87がゴルジ体形成に必須因子として働いていることを明らかにした。加えて、p87がVCIP135のゴルジ体への局在に重要な役割を果たしていることをあわせて明らかにした。さらに小胞体の網目構造を試験管内で再構成する実験系を確立した。これを用いることにより、VCIP135は、ゴルジ体の場合と同様に、小胞体形成においても必須因子として働くことを明らかにした。さらに興味深いことに、ゴルジ体形成にはVCIP135の脱ユビキチン活性も必須であるのに対し、小胞体形成においては、VCIP135の脱ユビキチン活性は必須ではないことを明らかにした。また、p87は小胞体形成には関与しないことを見いだした。この結果は、細胞分裂期におけるゴルジ体再構成において、VCIP135/p87を介したユビキチンシグナルが特異的な役割を果たしていることを示唆するものである。
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