2010 Fiscal Year Annual Research Report
イノシトールリン脂質代謝により変動する細胞内リン酸化シグナルの時空間解析
Project/Area Number |
21770219
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
吉崎 尚良 立命館大学, 生命科学部, 助教 (00443490)
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Keywords | リン酸化プロテオミクス解析 / バイオインフォマティクス / シグナル伝達 |
Research Abstract |
タンパク質リン酸化に着目し、イノシトールリン脂質シグナルで変動するタンパク質リン酸化を、網羅的に解析することで、複雑なイノシトールリン脂質シグナルを全体として明らかにすることを提案した。しかしリン酸化プロテオミクスで同定されるリン酸化サイトは膨大な数にのぼり、アーティフィシャルなサイトも多分に含まれる。そこでイノシトールリン脂質シグナルに関係するリン酸化の変動を正確に抽出する目的で、リン酸化シグナルとそのシグナルが担う生理機能の関係を半自動的にスコアリングするシステムの開発を行った。システムは、シグナル伝達経路が詳細に調べられている上皮増殖因子(EGF)シグナルを例に、リガンド依存的に入力されるシグナル伝達経路の予測ができるよう構築した。 (1)薬剤依存的なリン酸化サイトの抽出.HeLa細胞のEGF刺激におけるリン酸化プロテオミクス解析を行った。それぞれのリン酸化サイトは、GeneOntrogyの情報をアサインし、機能と局在の分布を調べた。ン酸化の経時的変動パターンは、相関をとりクラスタリングし、9パターンに分類した。 (2)リン酸化モチーフからリン酸化酵素の予測.リン酸化モチーフとリン酸化されるタンパク質の機能に相関があるかをGene Ontrogyとリン酸化モチーフでクラスタリングすることで調べた。 (3)リン酸化シグナル伝達地図の構築と、経路ごとの生理機能予測.リン酸化モチーフから関連するキナーゼの予測法を既存のデータベース情報(Phosphosite plus, PhosphoELM)をもとに開発した。予測されるキナーゼと基質タンパク質の情報と相互作用実験の結果に加え、リン酸化タンパク質に相互作用するタンパク質を、タンパク質間相互作用データベース(STRING, BioGRID)から抽出し、増殖因子シグナルのシグナル伝達地図を構築した。
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