2010 Fiscal Year Annual Research Report
生細胞におけるホスホリパーゼDの活性可視化と一分子計測による運動制御機構の解明
Project/Area Number |
21770223
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
長崎 晃 独立行政法人産業技術総合研究所, バイオメディカル研究部門, 研究員 (30392640)
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Keywords | 細胞運動 / PLD / 全反射顕微鏡 / ホスファチジン酸 |
Research Abstract |
ホスホリパーゼD(PLD)は細胞膜の主要構成成分であるホスファチジルコリンを加水分解することで、様々な生理活性を示すホスファチジン酸を産生する酵素である。すでに我々は細胞性粘菌および培養細胞をもちいてPLDが細胞運動に必要であることをノックダウン法等により明らかにした。そこで本申請研究では細胞運動におけるPLDの役割を分子レベルで明らかにするために、細胞膜上におけるPLDの挙動および活性化状態を検出することを試みた。 PLD活性化状態を可視化するために当初は細胞膜上のホスファチジン酸を検出するFRETベースのプローブ作成を目指した。しかし、約150種以上のプローブ作成を試みたが、作成したプローブはいずれもダイナミックレンジが非常に小さく汎用性の高いプローブ作成にはいたらなかった。そこで、全反射顕微鏡を用いたホスファチジン酸の一分子検出に切り替え、一分子観察を行うためのプローブとしてすでに報告されている様々なホスファチジン酸結合ドメインとGFPの融合タンパク質を作成し、細胞膜上におけるホスファチジン酸分布の画像化を行った。 また、PLD1とPLD2の細胞膜上における動態観察については、昨年度に購入したオレンジレーザーの設置によりビデオレートにおける各PLDと細胞骨格系タンパク質との同時観測が可能となった。そこで前年度までに作成したHaloおよびGFPタグ融合タンパク質を発現するコンストラクトを用いて画像取得と解析を進めることで、細胞運動におけるPLDおよびホスファチジン酸の空間的な分布とPLDの運動に伴う細胞骨格の再構築への関与を明らかとした。
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