2010 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内小器官のダイナミックな構造変化に依存したツメガエル胚発生制御機構の解析
Project/Area Number |
21770236
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
上野 秀一 山口大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (80363092)
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Keywords | Xenopus / Convergent Extension / 細胞内小器官 / PTEN |
Research Abstract |
形態形成時の中胚葉における細胞周期制御…前年度までにEGFP-Geminin(N末端)の核局在を指標にした細胞周期位相のライブイメージングによって、原腸陥入時の背側中胚葉領域においてG2期での細胞周期伸長(もしくは停止)を確認していた。そこで細胞周期抑制因子であるPTENが中胚葉のG2期停止に関わる可能性を調べた。その結果、1)PTENは中胚葉領域において特にG2期に核に移行(残留)しており、2)PTENの核残留は原腸陥入時に見られるCaイオン濃度の一過的な上昇(G-Campによって可視化)の見られる領域で顕著に起きていることが分かった(2010発生学会、分子生物学会)。これらの結果は原腸陥入の進行にPTEN活性が必要であるが(2006上野)、細胞周期制御と形態形成との関連を説明する上で未解明だった部分を補完するものである。中胚葉領域のG2期停止と細胞内小器官の構造…細胞内小器官の多くは細胞分裂により各細胞に分配される。その分配のために分裂期には小胞状にゴルジ構造が分断化されるため、核から細胞質に向かうタンパク質の修飾や分泌経路が維持されていない。そのため中胚葉におけるG2期の停止は、袋状ゴルジによる分泌経路の維持に必要である可能性が高い。そこで中胚葉を含む背側組織片におけるゴルジ構造の変化を観察するためのコンストラクト(GT-KO2)を作製し、予備実験として各発生過程でのゴルジ構造の変化を確認している。この実験から、中胚葉でのG2期停止によってゴルジ構造が維持されることで中胚葉分化に必要なWntの分泌が行われる可能性を検証することが出来る。
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Research Products
(3 results)