2009 Fiscal Year Annual Research Report
マウス精原幹細胞におけるクロマチン結合タンパク質のプロテオーム解析
Project/Area Number |
21770240
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
垣内 一恵 Kitasato University, 獣医学部, 助教 (90509184)
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Keywords | 精原幹細胞 / プロテオーム / レチノイン酸 |
Research Abstract |
近年の幹細胞研究において、クロマチン分画に焦点を絞ったプロテオーム解析は、自己複製調節機構や分化の過程に有益な情報源となっている。本研究では、分化型精原細胞と比較して精原幹細胞特異的に発現する核タンパク質を網羅的に解析することを目的に、本年度は分化型精原幹細胞への分化誘導の検討、並びに精原幹細胞の核分画の濃縮法の検討を行った。 (1)精原幹細胞はレチノイン酸によって分化誘導が起きることが報告されている。当研究室で確立した培養系においてレチノイン酸を加えたところ、同条件下で未分化状態の指標となるPOU5F1とZBTB16の発現が抑制されることをウェスタンブロット法によって検出した。従って、分化型精原細胞を得る分化誘導条件が決定した。(2)精原幹細胞の核分画の濃縮法を検討したところ、NE-PER Nuclear and Cytoplasmic Extraction Reagents (PIERCE社)を使用して得られた核分画には、転写制御因子であるPOU5F1やZBTB16が濃縮されていたため、核分画を効率よく濃縮できることがわかった。次に、この濃縮法を用いて精原幹細胞と分化型精原細胞から得られた核分画をTSK gel G3000SWを用いたゲルろ過クロマトグラフィーによってさらに分画し、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動によって分離し、銀染色法によって可視化した。その結果、精原幹細胞に特徴的な核タンパク質のバンドを検出した。現在、このタンパク質の同定を試みている。
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Research Products
(1 results)