2010 Fiscal Year Annual Research Report
多能性幹細胞および組織幹細胞におけるnucleosteminの機能解析
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21770242
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
永松 剛 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (70453545)
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Keywords | 幹細胞 / 自己複製 |
Research Abstract |
生体内ではさまざまな組織に幹細胞が存在し、新たな細胞を供給し続けることによって恒常性の維持が行われている。幹細胞は自己複製と未分化性の維持といった共通の特徴を持っていることから、各組織幹細胞間で共通の分子メカニズムの存在が示唆されている。研究代表者は様々な組織幹細胞で強い発現の見られるNucleostemin (NS)に着目し、その機能の解析を通して組織幹細胞間で共通の分子基盤を明らかにすることを目的とした。具体的にはNucleostemin遺伝子を誘導性に欠損させることのできるNucleosteminコンディショナルノックアウトマウス、およびコンディショナルノックアウトES細胞を作成して、その機能解析を行った。 二回の連続したターゲティングによってコンディショナルノックアウトES細胞の作製に成功した。この細胞を用いてNucleosteminをES細胞で欠損させることにより増殖の停止と細胞死が誘導されることを見出した。また、ES細胞の未分化性の維持に重要な働きをしているOct3/4, Nanog, Sox2といった遺伝子の発現がNucleostemin欠損に伴い減少することを明らかにした。このことからNucleosteminが上記の未分化性維持にかかわる因子の発現を誘導あるいは維持している可能性が示唆される。このことに関して強制発現系をもちいて検証したところ、Nucleosteminに未分化性に関わる遺伝子の発現を誘導する活性があることを示唆する結果を得た。
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[Journal Article] A germ cell specific gene, Prmt5 works as somatic cell reprogramming2011
Author(s)
Nagamatsu G, Kosaka T, Kawasumi M, Kinoshita T, Takubo K, Akiyama H, Sudo T, Kobayashi T, Oya M, Suda T.
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Journal Title
J Biol Chem.
Volume: 286(12)
Pages: 10641-8
Peer Reviewed
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