2009 Fiscal Year Annual Research Report
SUMO化による網膜幹細胞・未分化前駆細胞の増殖制御機構の解析
Project/Area Number |
21770246
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Research Institution | Osaka Bioscience Institute |
Principal Investigator |
寺田 晃士 Osaka Bioscience Institute, 発生生物学部門, 研究員 (70342722)
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Keywords | 網膜 / ubc9 / hmgb3 / アフリカツメガエル / 細胞増殖 |
Research Abstract |
神経前駆細胞の増殖の制御は、正常な中枢神経系の形成に必須である。我々は、中枢神経系の初期発生における細胞増殖の制御機構の解析を目的として、眼・前脳の初期発生に必須であり、細胞増殖を制御することが知られている転写因子raxにより誘導される因子の同定を試み、クロマチン制御因子のひとつであるHigh mobihty group B3(Hmgb3)遺伝子を単離した。我々は以前、アフリカツメガエルの初期胚を用いた機能解析により、xhmgb3が発生中の中枢神経系の細胞増殖制御において重要な役割をもつことを報告した。xhmgb3は、その構造から他のタンパク質と機能する可能性が考えられたため、我々は、酵母ツーハイブリッドシステムを用いて結合するタンパク質を探索し、Ubiquitin conjugating enzyme 9(Ubc9)を単離した。Ubc9は、脊椎動物において現在同定されている、唯一のSUMO結合酵素である。我々は、ubc9が網膜の中で網膜幹細胞の存在する毛様体周縁部(cihary marginal zone)に発現することを見出した。そこで、xhmgb3とUbc9の共発現を試みると、xhmgb3単独の場合に対して、2倍以上の高頻度でアフリカツメガエル胚の眼の巨大化が認められた。一方で、Ubc9の機能阻害は、眼の縮小を引き起こした。xhmgb3とUbc9の大量発現は、アフリカツメガエルの網膜発生において、細胞死には影響を与えなかった。また、DAPI染色により核密度を検討した結果、影響が認められなかったことから、細胞密度に影響しないことが示唆された。さらに、BrdUを用いて細胞増殖について検討した結果、細胞周期の離脱に影響が認められた。これらのことより、xhmgb3とUbc9は発生中の網膜前駆細胞の増殖の制御に共同的に機能することが示された。
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