2010 Fiscal Year Annual Research Report
神経上皮細胞層変形のための平面内極性シグナル伝達機構の研究
Project/Area Number |
21770250
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
西村 珠子 独立行政法人理化学研究所, 高次構造形成研究グループ, 研究員 (40415261)
|
Keywords | アクトミオシン / 神経管 |
Research Abstract |
神経管は、神経上皮細胞層が前後軸方向に陥入して形成されるが、その変形機構は未だ不明な点が多い。我々はこれまでに、神経管陥入時の神経上皮細胞層apical面において、アクトミオシンが一定の方向に極性を持って活性化する現象を見出した。そこで本研究では、この平面内極性を伴った神経上皮細胞のapical収縮の制御機構を明らがにし、上皮細胞層変形のための新しいシグナル伝達系の解明をめざす。 前年度までに、PCP制御分子がニワトリ神経管のapical面で背腹軸方向に極性分布していること、またRhoGEFのひとつが陥入期の神経管のapical面で極性分布していること、さらに各々のノックダウンにより神経管形成が著しく阻害されると同時に、アクトミオシンの極性のある分布も損なわれることを見出した。またEGFP-ラベルしたapical局在分子を神経管に発現することで、神経管陥入時の個々の神経上皮細胞の形態・動態をライブイメージングにより解析する系を確立した。 (1)上記RhoGEFがPCP制御分子と相互作用することを見出した。また、その相互作用により、RhoGEFの活性は上昇した。さらに、その相互作用は、上流のPCP分子に依存していた。 (2)上記RhoGEFが、培養上皮細胞系および神経管のapical面において、PCP制御分子依存的に特定のjunctionにリクルートされること、その分布には、別のPCP制御分子の存在が必要であることも分かった。
|