2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21770251
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
栗本 一基 京都大学, 医学研究科, 助教 (20415152)
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Keywords | ChIP / エピジェネティクス / 転写制御因子 / Blimp1 / 免疫沈降 |
Research Abstract |
本年度は前年度に引き続きノックンマウスの作成と、その検証を行った。Blimp1のlocusにタグをコードするDNAを挿入し(EGFPおよびAvitag)、タグ付きBlimp1を発現するようにデザインしたES細胞(前年度作出)をマウス初期胚に移植しキメラマウスを作成した(理化学研究所動物資源開発室との共同研究)。これらキメラマウスよりヘテロ、ホモマウスを順次作成した。Blimp1は、その遺伝子が欠失すると胚性致死となる重要な転写因子であるが、タグ付きBlimp1のホモマウスは一見して健常であり、かつ正常な生殖器官と繁殖能力を保持しており、Blimp1の機能が付加したタグによって損なわれていないことが判明した。また始原生殖細胞におけるBlimp1の発現が正常であるか否かを免疫染色により検証した。その結果、Blimp1が発現する全ての発生ステージにおいてタグ付きBlimp1は核に局在しており、その発現は既知の知見と一致した。さらにWestern Blotting解析により始原生殖細胞(発生12.5日)を解析し、付加したEGFPが分解を受けることなくタグ付きBlimp1タンパク質として合成されていることを確認した(Avitagについても検証中)。以上の解析から、タグ付きBlimp1について、その発現、局在、タグ付加、機能すべてにおいて、当初の計画通りのノックインマウスを作出することができたと結論付けられる。このマウスはChIPのみならずBlimp1のあらゆる生化学的解析に有用であると考えられる。また、Oct4-Linker-Avitagを用いたChIPおよびChIP DNA増幅実験から、10^4~10^5個のES細胞から転写因子Oct4のChIP解析が可能であるという一次的な解析結果を得た。ChIPに用いるビーズに対する非特異的吸着の最小化、DNA増幅に用いるべきキャリアの選定は完了しつつあると考えられる。
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[Journal Article] TDRD5 is required for retrotransposon silencing, chromatoid body assembly, and spermiogenesis in mice2011
Author(s)
Yabuta, Y Ohta, H.Abe, T., Kurimoto, K.Chuma, S, Saitou, M.
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Journal Title
J Cell Biol
Volume: 192
Pages: 781-95
Peer Reviewed
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