2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21770251
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
栗本 一基 京都大学, 医学研究科, 助教 (20415152)
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Keywords | ChIP / 次世代シークエンサー / エピジェネティクス / 転写因子 / Blimp1 / Oct3/4 / 始原生殖細胞 |
Research Abstract |
本年度は前年度に完成したタグ付きBlimp1ノックインマウス(EGFP-Blimp1ホモ接合体)を大量生産し、後述するクロマチン免疫沈降(ChIP)に十分な数の雌雄マウスを得ることが出来た。また、EGFPの代わりにビオチンリガーゼ標的配列でタグしたマウス(BT-Blimp1)についても、全身でビオチンリガーゼを発現するマウスと掛け合わせ、BT-Blimp1/BirAの両方についてホモ接合となったマウスを作出した。これによりBlimp1のChIPに必要な、当初計画したマウスが全て完成した。 微量試料からのクロマチンプルダウン法、およびプルダウンしたDNA(ChIP DNA)の増幅法の開発は、前年度までに作成した、転写因子Oct3/4をEGFPでタグしたES細胞(Oct3/4-Linker-EGFP)および、BTでタグしたES細胞(Oct3/4-Linker-BT)を用いて行った。多数の細胞を用いてChIPを行い、Oct3/4に結合する大量のDNAを調製した。次にこれを希釈し、少数細胞(1x10^4~5個)に相当するChIP DNAと、従来法に必要な細胞数(1x10^7個)に相当する量のChIP DNAを調製した。このDNAを用い増幅法を検討した。プライマー配列、ライブラリー化ステップの反応条件等を改善することにより、1x10^4個細胞に相当するChIP DNAをも定量的に増幅できる手法を確立した。増幅の正しさは、既知のOct3/4結合部位(6つの遺伝子の制御領域と、各々の近傍の非結合部位;計12か所)に対するリアルタイムPCRで検証し、10回以上の実験で高い再現性が得られた。 さらに実際の少数細胞からChIPを行い、開発した手法を用いてDNAを増幅することができるかを検証した。一枚のディッシュで細胞を培養し、それを少数の細胞集団(1x10^4~5個)と、多数の細胞集団(1x10^6個)に分け、それぞれ独立にChIPを行い、少数細胞から調製したChIP DNAを増幅した。 リアルタイムPCRで増幅したDNAと増幅しないDNA(1x10^6個細胞)を比較し、増幅したDNAが正しいプロファイルを示すことを確認した。これにより、少数細胞において転写因子に結合するDNAを次世代シークエンサーに適用可能な形態で定量的に増幅することができるようになった。
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