2009 Fiscal Year Annual Research Report
ショウジョウバエ生殖幹細胞の「ニッチの場」形成の分子メカニズムの解析
Project/Area Number |
21770253
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Research Institution | National Institutes of Natural Sciences Okazaki Research Facilities |
Principal Investigator |
林 良樹 National Institutes of Natural Sciences Okazaki Research Facilities, 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 助教 (30508817)
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Keywords | 生殖幹細胞 / ニッチ / ショウジョウバエ / プロテオグリカン / HSPG / グリピカン / Dally / dally-like |
Research Abstract |
本研究の目的は、ショウジョウバエ生殖幹細胞ニッチをモデルとして、「ニッチの場」を構成する分子メカニズムを解明することにある。特に、HSPGという細胞外環境を構成する糖タンパク質ファミリーの機能に着目している。申請者は、本研究計画を提出した段階で、ショウジョウバエの2つのグリピカン(HSPGの一種)、DallyとDally-likeがそれぞれ卵巣および精巣のニッチ細胞に発現すること、そして各々が生殖幹細胞の維持に必要であることを明らかにしていた。これらグリピカンの幹細胞維持における分子機能を明らかにするために、21年度は、特にDallyの卵巣における機能の解析を計画した。その結果、Dallyは卵巣のニッチシグナルであるDppシグナルを制御すること(研究計画1)、Dallyを異所的に発現させた場合、ニッチの場が拡大すること(研究計画3)を明らかにした。これらの結果は、Dallyが卵巣管細胞ニッチの場の重要なコンポーネントであることを示しており、このデータをもとに雑誌論文に発表した(Hayashi Y, et al, JCB, 2009:研究発表の欄を参照のこと)。さらに、卵巣におけるDppタンパク質の可視化を、抗Dpp抗体を用いることで実現した(研究計画2)。このDppタンパク質の可視化は、22年度以降において、Dallyのより詳細な分子機能を明らかにする上で必須である。22年度以降、上記の結果をもとに、Dallyのニッチの場における詳細な分子機能解析を計画している。
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