2009 Fiscal Year Annual Research Report
持続的な遺伝子情報複製に対するマイクロ環境の重要性の実験的検証
Project/Area Number |
21770256
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
市橋 伯一 Osaka University, 大学院・情報科学研究科, 特任助教 (20448096)
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Keywords | 自己複製 / 無細胞翻訳系 / RNA / 細胞サイズ / マイクロ流路 / 複製酵素 |
Research Abstract |
本研究の目的は、マイクロサイズの反応場で寄生RNAが抑えられ、持続的な遺伝子複製が達成されるメカニズムを明らかにすることである。この目的のために、マイクロレベルで様々なサイズの反応場を調整し、その中で遺伝子複製反応を行なう必要があった。21年度は、まず、反応場サイズをマイクロレベルでコントロールする方法の確立を行なった。その結果、平均直径が2,4,8,16,32マイクロメートルの反応場をそれぞれ調整することができた。さらに、その内部で遺伝子複製反応が問題なく起こる条件を見出すことができた。詳細を以下に示す。 本研究では、マイクロサイズの反応場として水溶液をオイルに分散させたw/oエマルションを用いた。しかし、通常の方法で作成したエマルションのサイズはばらばらであり、コントロールすることができなかった。したがって、反応場であるエマルションのサイズが内部の遺伝子複製反応に与える影響は明らかではなかった。そこで申請者らは、マイクロ流路を用いてエマルションをサイズごとに分離する装置を導入した。マイクロ流路の設計を最適化した結果、2-32マイクロメートルの各サイズのエマルションを分離して調整することができるようになった。また、もうひとつ別の問題として、エマルション内では遺伝子複製反応が阻害されるという問題があった。この問題に対しては、エマルション作成に用いたオイル、水溶液の組成を様々に変えて検討することにより、阻害しないエマルション組成を見出すことができた。 今後、分離することができた各サイズのエマルション内で遺伝子複製を行い、その反応効率、寄生体の出現頻度、反応持続性を測定する。これらのサイズ依存性から、持続的な遺伝子複製が達成されるメカニズムを追及していく予定である。
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Research Products
(4 results)