2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21770257
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
日下部 りえ Kobe University, 大学院・理学研究科, プロジェクト奨励研究員 (70373298)
|
Keywords | 機能性RNA / microRNA / ヤツメウナギ / メダカ / 形態進化 / 脊椎動物 / 脊索動物 |
Research Abstract |
本研究では脊椎動物の各系統での小分子機能性RNAの重複の度合いや機能の変遷を解明するため、複数の動物でのmicroRNAの同定と機能解析を行っている。平成21年度はまず、microRNAの網羅的な探索とゲノム上の位置の同定を、メダカについておこなった。メダカ胚の小分子RNAライブラリーを次世代シークエンサー(454Life Sciences/Roche GS FLX)を用い、17,414配列解読した。得られたmicroRNA配列をメダカゲノムデータベースと照合し、各microRNAの名称を確認した。その結果、約560種類のメダカmicroRNAを同定できた。次に、整列したメダカmicroRNAの配列をもとにマイクロアレイを作製した。このアレイを用いた発現パターン解析を現在進めている。また、より処理能力の大きいシークエンサー(IlluminaGA)を用いて、メダカの小分子RNAライブラリーを800万配列以上解読した。得られた配列をもとに新規microRNAの探索と他の魚種との比較を行っている。 また脊椎動物microRNAの進化に関する知見を得るため、尾索動物ホヤのゲノム中で非常に近傍に存在するmiR-1およびmiR-133に対し、in situハイブリダイゼーションを行って発現領域を同定した。その結果、この2つのmicroRNAは単一の一次産物として胚の筋肉に特異的に転写され、その後成熟型microRNAへのプロセシングを受けることが明らかになった。現在、このようなmicroRNAの成体筋肉での異なる発現がどのように制御されるかを調べる目的で、各発生段階におけるより詳細な発現様式を調べ、その調節領域を同定する実験を行っている。
|