2009 Fiscal Year Annual Research Report
無人島に移入されたテングザル個体群と野生個体群の保全に関する研究
Project/Area Number |
21770264
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
村井 勅裕 Kyoto University, 霊長類研究所, 研究員 (70464203)
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Keywords | テングザル / 霊長類学 / 保全生物学 / 資源保全学 / 個体群動態 |
Research Abstract |
インドネシアに2009年7月から9月にかけて2度、計約1ヶ月半の、渡航した。現地では、ガジャマダ大学・ネラバヤ動物園の協力で、カリマンタン島からスラバヤに移入されたテングザルの詳しい情報を得た。また、この渡航で、スラバヤ以外にも移入されたテングザルの情報を得、22年度にその地でも調査をする予定である。スラバヤに移入されたテングザルの現状を観察し、その個体数をカウント、個体識別を実施しな。その結果、4群(単雄複雌群3群・全雄群1群)の計41個体を数えた。この観察により、今後の個体群動態の調査の基礎データを得ることができた。また、詳しい観察からテングザルの性行動に関する興味深い行動を観祭することができた。今後、観察時間を増やし、詳しく分析する予定である。また、テングザルの特徴である雄の鼻の大きさと繁殖戦略に関する研究において、雄の鼻の大きさと音声の関係に関する研究を実施するにあたり、雄の音声の録音を実施したが、周囲の音(特に朝・夕のコーラン)による妨害により、なかなかクリアーな音声を集めることが難しかった。今後、音声録音に関する方法を検討し、音声データを積み重ねる必要がある。雄の鼻の大きさに関する情報は、スラバヤ動物園スタッフによる強力により、計測をすることができた。今後、分析を行ってい上予定である。22年には個体識別を基に糞を採集し、DNA分析を行っていく予定である。また、スラバヤに移入されたテングザルのうち5頭(雄2・雌3)がよこはま動物園ズーラシアに来たので、ズーラシア関係者と連絡をとり、22年度に行動観察・DNA調査を行うことに対して許可を得た。ズーラシアの5頭のうち雌1頭が2010年3月に死亡し、その死亡個体からDNAサンプルを得て、DNA分析の基礎的データを得る予定である。
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