2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21780007
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
永澤 奈美子 Akita Prefectural University, 生物資源科学部, 助教 (00535289)
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Keywords | イネ / カドミウム / 遺伝学 / 育種学 |
Research Abstract |
本研究では、まず、高カドミウム(Cd)条件下で生育させると、Cdを地上部に蓄積するというユニークな表現型を示す長香穀の解析を行った。その表現型の原因は、heavy-metal-transporting P-type ATPase (HMA)というタンパクをコードする遺伝子のうちの一つである、OsHMA3遺伝子に存在する変異であった。RT-PCRの結果より、OsHMA3遺伝子は、主にイネの地下部で発現していることがわかった。また、酵母において液胞で発現しCdを液胞内に取り込むタンパクが変異した変異体を用いて、相補性実験をおこなったところ、野生型のOsHMA3遺伝子は酵母の変異遺伝子の機能を相補した。さらに、タマネギの細胞内で、OsHMA3タンパクは液胞膜に局在した。これらのことから、OsHMA3タンパクは、イネ地下部の細胞の液胞膜に局在し、Cdを液胞内に取り込み蓄積する働きを持つと推察された。 次に、イネにおけるCd蓄積に関連する未知の遺伝子の単離及び同定を目指して行った突然変異体の第1次及び第2次スクリーニングでは、台中65号の変異源処理済みM3集団400系統より、10系統のCdに対する感受性が野生型より高い系統と20系統のCdに対する感受性が野生型より低い系統が単離された。長香穀については、変異源処理を行い、M2集団の作成を開始した。 最後に、シロイヌナズナのCd蓄積に関わる遺伝子のイネにおけるホモログのノックアウトの解析として、OsHMA2遺伝子については、トランスポゾン挿入系統の種子増殖と遺伝子発現解析を行い、OsHMA3遺伝子については、RNAi系統の作出を行った。
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