2010 Fiscal Year Annual Research Report
水稲における穂内穎果の成長斉一性検定法の確立および関連QTL探索
Project/Area Number |
21780016
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Research Institution | Ishikawa Prefectural University |
Principal Investigator |
塚口 直史 石川県立大学, 生物資源環境学部, 講師 (40345492)
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Keywords | イネ / 穎果 / 成長斉一性 / 量的形質遺伝子座(QTL) / 空籾 / 発育停止籾 / コシヒカリ / Kasalath |
Research Abstract |
本研究はイネの穂内穎果の成長斉一性の評価法の確立、成長斉一性に関与する量的形質遺伝子座(QTL)の探索および成長斉一性と高温登熟性との関連を明らかにすることを目的とする。22年度は穎果の成長斉一性に関与するQTLの候補領域の推定および穎果の成長斉一性と収量や品質との間における関係の解明を目的として、コシヒカリ/Kasalathの染色体部分置換系統(CSSL)を実験材料とした実験を行った。これらの系統を水田で栽培し、穂揃い期に止葉切除処理を行った。各系統の止葉処理区および対象区の個体の穂を穂揃い5日および10日後に採取した。エタノール中に保存したサンプルを用いて、現在ヨード・ヨードカリ法による穎果の成長斉一性を調査中である。また成熟期に穂を採取し、収量および籾の登熟程度を調査した。籾の登熟程度として、全く子房の成長の認められない空籾、子房は成長を開始したがデンプン蓄積を開始していない発育停止籾およびデンプンを蓄積した籾に分類し、デンプン蓄積籾については比重1.13以上、1.06~1.13、1.00~1.06、1.00以下に分類し、各カテゴリーの籾数の割合を求めた。止葉切除処理により穂への炭水化物供給を制限することにより、各系統の登熟程度は低下したが、その低下のしかたは次の2つのタイプに分けることができた。空籾が増加するタイプと、空籾は増加しないが発育停止籾および比重1.06以下の充実不良籾の増加するタイプである。止葉切除による登熟歩合の低下が小さい系統には前者のタイプが多かった。今後穎果の成長斉一性を調査し、上記のデータとの関係、特に止葉切除による登熟歩合の低下と成長斉一性との関係について詳しく解析する予定である。
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Research Products
(2 results)