2009 Fiscal Year Annual Research Report
ブルーベリー果実の発育における植物生長調節物質の役割に関する研究
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21780019
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
渡邉 学 Iwate University, 農学部, 助教 (00361048)
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Keywords | プルーベリー / 成熟 / アブシジン酸 / エチレン |
Research Abstract |
ブルーベリー果実の肥大・成熟を調節している要因を明らかにして、収穫作業の省力化に繋がる新しい結実管理法を開発することを目的とし、以下の実験を行った。ハイブッシュブルーベリー'Berkeley'の単一果実の発育生理を解析するために、果房内の1番果(最も発育の早い果実)以外の果実を除去し、1番果の結実後から成熟までの果実発育にともなう果実品質、果実中のIAA含量、ABA含量およびエチレン生成量の変化を調査した。また、果房内の果実が相互にどのように影響しているのかを明らかにするために、果房内で生育の早いまたは遅い果実を摘果し、残りの果実の生長に及ぼす影響を調査した。その結果、1.果実中のIAA含量は、結実後、果実肥大の中期まで急増し、その後、成熟期まで徐々に減少した。2.果実中のABA含量は、結実後、低いレベルで推移するが、果実の着色開始約1週間前から急増し、成熟期の3~4日前に最大値を示し、成熟期にかけてやや低下した。3.着色開始前のABA含量の増加時期は、エチレン生成量の増加時期よりも3~4日早いことが明らかになり、ブルーベリー果実の着色や成熟にはABAが関与することが示唆された。4.果房内で成熟の遅い小さな果実は、結実後から成熟開始前までのいずれの時期においても成熟の早い大きな果実の生長に影響しないが、成熟の早い大きな果実は、結実後の早い時期において、成熟の遅い小さな果実の生長を抑制していることが示唆された。
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