2011 Fiscal Year Annual Research Report
ブルーベリー果実の発育における植物生長調節物質の役割に関する研究
Project/Area Number |
21780019
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
渡邉 学 岩手大学, 農学部, 助教 (00361048)
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Keywords | ブルーベリー / 成熟 / 果実肥大 / アブシシン酸 / エチレン |
Research Abstract |
ブルーベリー果実の成熟におけるABAとエチレンの役割を明らかにし、収穫作業の省力化に繋がる新しい結実管理法を開発することを目的とし、以下の実験を行った。1.ブルーベリー9品種(早生、中生、晩生品種から各3品種)の着色ステージごとの可溶性固形物含量および果実硬度を調査した。2.着色開始前の果実に対し、エチレン合成阻害剤であるAVGを散布処理し、果実の内生ABA含量、エチレン生成量およびCO_2生成量と果実品質の変化を調査した。3.着色開始前の果実に対し、エテホン、ABA、AVGおよびABA合成阻害剤であるNDGAを散布処理し、累積収穫率を調査した。4.果房内における大粒果と小粒果の発育にともなう果実中のIAA含量、ABA含量およびエチレン生成量の変化を調査した。その結果、1.着色ステージの進行につれて可溶性固形物含量が増加し、果実硬度が低下する品種と、着色ステージが進行しても一時的に果実品質の変化が停滞する品種がみられ、着色と果実品質の関係は品種により異なることが明らかになった。2.AVG処理区では、ABA含量、エチレン生成量の増加および果実品質の変化が無処理区よりも遅れ、エチレンがABA合成を促進していることが示唆された.3.エスレル+NDGA処理区で無処理区よりも成熟が促進されたが、エスレル+ABA処理区では、さらにその効果が高まった一方、AVG+ABA処理区ではその効果は低かった。ABAだけでは成熟を促進できないことが示唆された。4.IAA含量の最大値は大粒果で高く、ABA含量の最大値は小粒果で高かった。また、果房内の大粒果と小粒果のどちらにおいても、IAA含量がピークを示し、減少し始める時期にABA含量が増加し、成熟期においてIAAとABAに関連がみられた。
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Research Products
(2 results)