2009 Fiscal Year Annual Research Report
アブラナ科植物のモンシロチョウ誘引成分の同定との生物間相互作用の解明
Project/Area Number |
21780027
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
池浦 博美 Meiji University, 研究・知財戦略機構, 研究員 (10440158)
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Keywords | モンシロチョウ / 揮発性成分 / 誘引成分 |
Research Abstract |
環境や人体に配慮した生物農薬の開発を目的とし、これまでに、アブラナ科植物キャベツの揮発性抽出液がモンシロチョウメス成虫に対し誘引性が認められたことから、モンシロチョウメス成虫を誘引するキャベツの揮発性成分を同定し、その誘引選好強度を評価した。また、誘引成分の標準品を用いて、誘引性の検討を行った。アブラナ科植物の揮発性成分をジエチルエーテル抽出法により抽出し、分取ガスクロマトグラフィーで32画分に分画した。各分取ガスクロマトグラフィー回収分画溶液において、モンシロチョウメス成虫の誘引選好実験を行い、誘引強度の高い4分画を特定した。その4画分に含まれる揮発性成分をGC-MSを用いて、キャベツ特有揮発性成分を8成分[4, 4-dimethyl-3-oxo-pentanenitrile, 4-methyl-pentanenitrile, methyl thiocyanate, allylisothiocyanate, dimethyl trisulfide, 3-methoxy-3-methylbutanol, 3-butenyl isothiocyanate, (E,E)-2, 4-heptadienal]を同定した。さらに、この分画を様々に組み合わせたもの、さらに、同定された8成分の標準品についてモンシロチョウに対する誘引選好実験を行い、誘引成分を特定した。モンシロチョウメス成虫に対する重要揮発性誘引成分は、8成分のうち4成分であることが推定された。これらの結果から、モンシロチョウに対する生物農薬の開発の糸口となることが示唆された。
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