2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21780028
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Research Institution | Iwate Biotechnology Research Center |
Principal Investigator |
中塚 貴司 Iwate Biotechnology Research Center, 細胞工学研究部, 主任研究員 (60435576)
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Keywords | 花器官形成 / リンドウ / MADS box / 遺伝子組換え / 生理障害 |
Research Abstract |
リンドウ花器官組織で発現している14個のMADS box遺伝子を単離した。そのうち6つの遺伝子(GsDEF1~3,GsGLO1~3)が、分子系統樹解析により花弁発達を制御しているB-class MADS boxに分類された。遺伝子発現解析において、GsGLO遺伝子は花弁と雄しべ組織に遺伝子発現が限定されているのに対して、GsDEF遺伝子は花冠全体で発現していることが示された。酵母2ハイブリッド解析において、GsGhO2はGsDEF1またはGsDEF2と相互作用することが示され、タマネギ表皮細胞を用いたbimolecular fluorescence complementation(BiFC)解析において植物生体内でも相互作用することが明らかとなった。酵母2ハイブリッド解析による蛋白質相互作用の強度を測定した結果、通常の30℃培養と比較して20℃で培養した場合において、10倍以上強度が増加することが観察された。 リンドウB-class MADS box遺伝子を過剰発現したタバコおよびシロイヌナズナを作成した。GsGLO2とGsDEF1またはGsFLO2とGsDEF2を共発現した形質転換体では、萼が花弁様組織に変換した表現型を示し、それぞれ遺子の単独導入では野生型の表現型を示すため、GsGLO2はGsDEF1またはGsDEF2と相互作用して機能することで花弁器官決定を制御していることが示唆された。 今後は、得られた形質転換体を利用して、様々な温度環境で栽培し花器官の形態変化を観察することで、温度とMADS box遺伝子機能との影響を明らかにしていく。
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