2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21780029
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Research Institution | National Agricultural Research Organization |
Principal Investigator |
小田 篤 National Agricultural Research Organization, 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構・花き研究所・生育開花調節研究チーム, 研究員 (00375437)
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Keywords | キク / 遺伝子発現 / 花成 / 温度反応 / 短日植物 |
Research Abstract |
染色体構成が二倍体の"キクタニギク"において発現する全mRNAの網羅的配列決定をRoche社454FLXをもちいて行い、300Mbps以上の塩基配列情報を得た。得られた情報から、キクタニギクmRNA網羅的配列データベースを構築し、花成制御に関わる可能性の高いFT、CO、FLC、SVP遺伝子と相同性を示す遺伝子を抽出した。その結果、FTと相同性を示す配列を3種類、CO、SVPと相同性を示す配列をそれぞれ2種類見出し、CsFTL1、CsFTL2、CsFTL3、CsCOL1、CsCOL2、CsASL1およびCsASL2と名付けた。一方で、FLCと有為に相同性を示す配列は見出されなかった。データベースから抽出された配列が部分的であった遺伝子についてはRACE法、TAIL-PCR法により全長配列を獲得し、クローニングを行った。リアルタイムPCR法により、花成誘導条件下の葉における遺伝子発現を解析した結果、CsFTL3の発現が誘導され、CsFTL1の発現が抑制される事が明らかになった。茎頂部におけるCsASL1およびCsASL2は花芽分化とともに発現量が低下する傾向があった。これまで、シロイヌナズナなどのモデル植物において花芽誘導条件で発現が誘導されるFT様遺伝子は報告されているが、抑制されるものは報告されていない。今後、CsFTL1、CsFTL3、CsASL1およびCsASL2の機能解析をすることでキク特有の花成誘導機構を明らかに出来る可能性がある。
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