2009 Fiscal Year Annual Research Report
ニラにおける複相大胞子形成遺伝子座の集中マッピングおよび候補遺伝子の検索
Project/Area Number |
21780030
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Research Institution | National Agricultural Research Organization |
Principal Investigator |
山下 謙一郎 National Agricultural Research Organization, 野菜茶業研究所野菜ゲノム研究チーム, 主任研究員 (80414671)
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Keywords | アポミクシス / ニフ / 複相大胞子形成 / 単為発生 / Allium / DNAマーカー |
Research Abstract |
アポミクシスを主要作物育種に導入できれば、F1におけるヘテロシスの固定、採種コストの削減、品種育成年限の短縮が可能となり、育種に飛躍的な効率化をもたらすと期待される。本課題は、ニラを材料としてアポミクシス関連遺伝子座(複相大胞子形成遺伝子座)の集中マッピング、座乗染色体の決定および候補遺伝子の検索を行い、アポミクシス性の遺伝的背景を詳細に解明することを目的とする。 本年度の研究成果は、以下の2つに要約される。 1. 複相大胞子形成遺伝子座近傍領域の集中マッピング 異数性分離集団を供試して、217個のランダムプライマーを用いたRAPD分析および96組のselectiveプライマーを用いたAFLP解析を行った。複相大胞子形成バルク特異的マーカーを選抜し、別途開発した単為発生マーカーと共に分離集団に展開して連鎖解析を行った結果、複相大胞子形成遺伝子座は単為発生遺伝子座と異なる連鎖群に座乗し、両形質遺伝子座に最も近傍のマーカーはそれぞれ10.0cMおよび6.6cMの位置に座乗した。 2. 正二倍体・高二倍体のアポミクシス性評価 両性生殖性二倍体(2n=16)とアポミクシス性低三倍体(2n=21-23)との交雑次代より選抜した正二倍体・高二倍体(2n=16-19)のアポミクシス性を評価した。165個体のうち、34個体の複相大胞子形成性を調査した結果、3.6、5.0および5.3%の形質値を示す3個体が同定された。フォイルゲン染色により染色体数を調査し、2個体が正二倍体(5.0%および3.6%)、1個体がトリソミック(5.3%)であると確定した。34個体の単為発生性を調査した結果、いずれも胚発生を示さなかった。 次年度以降、正二倍体・高二倍体のアポミクシス性評価をさらに進めて、高頻度の形質値を示す個体を選抜し、同形質遺伝子の座乗染色体の決定および同遺伝子と劣性有害遺伝子との連鎖打破の可能性を明らかにする。
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