2010 Fiscal Year Annual Research Report
オートファジーを利用した耐病性イネ創出と、自然免疫能を強化する薬剤の開発
Project/Area Number |
21780041
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
来須 孝光 東京理科大学, 総合研究機構, プロジェクト研究員 (50422499)
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Keywords | オートファジー / イネ / 耐病性 / 自然免疫 / 防疫剤 |
Research Abstract |
本年度は、イネやシロイヌナズナを利用し、スクリーニングにより選抜されたオートファジーを含む細胞内物流(メンブレントラフィック)制御剤の効果を、耐病性検定等を利用し、再検証した。一方、BY-2細胞を利用した植物防疫剤候補のスクリーニング手法の改良も進めた。併せて、本年度はイネから、オートファジー機能が完全に欠損した変異株の単離を進めた。 1、タバコBY-2培養細胞を利用した新規防疫剤の効率的選抜手法の確立 タバコBY-2細胞を利用し、活性酸素種(ROS)生成量を指標とした、効率的な植物防疫剤のスクリーニング手法の改良を進めた。マイクロプレート及び多検体の同時測定が可能なルミノメーターを用いることにより、非常に効率的、且つ定量的な防疫剤スクリーニング法の確立に成功した。現在、スクリーニング及び選抜化合物を含む特許出願の準備を進めている(H23年度出願予定)。 2、耐病性検定による防疫剤効果の検証(H22年度の継続研究) 本年度も防疫剤候補化合物に関して、イネやシロイヌナズナ植物体を用いて、防疫剤としての効果検証を進めた。その結果、本年度においてもイネ及びシロイヌナズナの両者において、菌の増殖抑制効果が観察された。 3、イネオートファジー欠損変異株の同定 本年度はイネオートファジー欠損変異株の取得を目指した。その結果、複数の欠損変異株の単離に成功した。現在、研究試料確保のため、後代種子の取得を進めている。 本研究により、細胞内物質輸送や分解システムが、植物免疫を制御することを突き止め、こうした過程を適切に制御する薬剤により、植物の免疫能を賦活化できることを発見した。これらの知見は、新規防疫剤開発の基礎となる研究成果になると同時に、スクリーニング法も含めた多くの特許化が期待される。
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Research Products
(8 results)