2010 Fiscal Year Annual Research Report
寄生植物ストライガ抵抗性に関わるミヤコグサ新規変異体の探索
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21780044
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
吉田 聡子 独立行政法人理化学研究所, 植物免疫研究グループ, 研究員 (20450421)
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Keywords | 寄生植物 / ストライガ / ミヤコグサ / 宿主 / 非宿主抵抗性 |
Research Abstract |
寄生雑草ストライガ(Striga hermonthica)はアフリカ半乾燥地域を中心に甚大な農業被害をもたらす病害植物であるが、その寄生応答の仕組みはまだほとんど解明しておらず、根本的な対策は見つかっていない。本研究では、ストライガへの抵抗性の仕組みを解明するために、ストライガ抵抗性を示すマメ科植物ミヤコグサの変異体単離と解析をおこなった。 変異源処理したミヤコグサ種子約1800ライン(約21,000 M2個体)にストライガを感染させ、感染応答に変化のある変異体をスクリーニングした。その結果、ストライガの吸器形成率が落ちる変異体2ラインが単離された。この2ラインのミヤコグサ変異体は、ストライガと同じハマウツボ科に属する条件的寄生植物であるコシオガマの吸器誘導能も低いことが明らかになった。一方で、オロバンキの吸器形成率は野生株と変わらないという結果を得た。このことは、寄生植物の吸器形成が宿主遺伝子によって支配されていることを意味し、また、吸器誘導の仕組みが寄生植物種によって異なる可能性を示唆する。得られた変異体では、ストライガの発芽誘導能は野生株と変わらないため、寄生植物の発芽誘導物質であるストリゴラクトンの生産量には違いがないと考えられた。 また、スクリーニングからはミヤコグサへのストライガ感染時に特異的に観察される接触部の黒色化が見られない変異体を得ることはできず、ミヤコグサにおける抵抗性の発現は機能が重複する複数の遺伝子によって支配されている可能性が考えられた。
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Research Products
(7 results)