2010 Fiscal Year Annual Research Report
新規ピレスロイド代謝酵素の機能解析ならびに特異的農薬開発への応用
Project/Area Number |
21780049
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山本 幸治 九州大学, 大学院・農学研究, 助教 (00346834)
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Keywords | 応用昆虫 / 分子生物学 / 農薬 |
Research Abstract |
昨年度は,新たにカイコのunclassified GST (bmGSTU)をクローニングし,bmGSTUアミノ酸配列中に存在するSerそしてTyrをAlaに置換した変異体を部位特異的アミノ酸置換法により作製した.本年度は,bmGSTUの活性発現に関与するアミノ酸残基を明らかにすることを目的とし,さらにbmGSTUアミノ酸配列中Q41A, Q52A, H53A等の10種類のbmGSTU変異体を作製し,あわせて12種類の組換え体発現系を大腸菌を用い構築した.それぞれの変異体酵素を硫安分画,陰イオン交換クロマトグラフィーそしてゲル濾過クロマトグラフィーの各手法を用いて電気泳動的に均一に精製した.精製後,GST標準基質である1-クロロ-2,4-ジニトロベンゼン(CDNB)に対して活性を測定した.その結果,N末端の7番目Tyrならびに12番目SerをAlaに変換した変異体について大幅な活性低下が観察された.この結果により,これらのアミノ酸残基がbmGSTU活性発現に関与することが示唆された. また,構造解析をすすめることを目的とし,bmGSTUの結晶化を行った.この結晶を用いてX線解析実験を行い,分解能2.1Åの回析データを得た.分子置換法により位相を決定し,bmGSTUの三次構造を決定した.この構造をもとにSer12ならびにTyr7が活性に関与していることが示された.現在,bmGSTU基質結合部位の形状と基質特異性の関係を解析中である. さらに,カイコ5齢幼虫にパーメスリンを作用させた結果,増加するmRNAの網羅的解析をマイクロアレイにより行った.その結果,bmGSTUをはじめとするオメガクラスそしてシグマクラスGSTmRNAの増加が確認された.これは,昨年得られたPCRによる結果と一致することが明らかとなり,bmGSTUはパーメスリンの解毒に関与する可能性が得られた.
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Research Products
(4 results)