2009 Fiscal Year Annual Research Report
Rj遺伝子保有ダイズとの共生成立を決定づける根粒菌分泌蛋白質の同定
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21780056
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
岡崎 伸 奈良女子大学, 大学院・人間文化研究科, 助教 (40379285)
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Keywords | 根粒菌 / マメ科植物 / III型分泌機構 / 共生 / 防御応答 / ダイズ / シグナル伝達 / Rj遺伝子 |
Research Abstract |
本研究では、Rj遺伝子保有ダイズと根粒菌の共生系における根粒菌III型分泌系の役割を分子レベルで解明することを目指している。rj1遺伝子保有ダイズClark-rj1は根粒菌の分泌するNod factorの受容体NFR1(Nod factor receptor1)の変異体であり、ほとんどの根粒菌は根粒を形成することができないが、Bradyrhizobium elkanii USDA61株は例外的に根粒を形成することができる。日本のダイズ品種エンレイ由来のNFR変異体En1282で試験したところ、Clark-rj1と同様にUSDA61株は根粒を形成したが、III型分泌系破壊株(ΔT3SS)は全く根粒を形成しなかった。ダイズ側の遺伝子発現を調べたところ、根粒形成関連遺伝子ENOD40とGmNINの発現は、USDA61接種を接種したEn1282において上昇していたが、ΔT3SS接種では無接種と有意な差がみられなかった。これらの結果から、根粒菌III型分泌系はほとんどの根粒菌-マメ科植物共生系に必須と考えられているNod factor-NFRの相互認証過程を経由せずに下流の根粒形成シグナルを活性化し、共生を成立させることが示唆された。
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