2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21780057
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山地 直樹 岡山大学, 資源植物科学研究所, 助教 (00444646)
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Keywords | 植物成長・生理 / アルミニウム / イネ / 転写因子 / 耐性 |
Research Abstract |
酸性土壌におけるアルミニウム(Al)イオン毒性に対して、イネなどの一部の植物ではAl耐性遺伝子群の発現が誘導され、高いAl耐性を発揮する。代表者らはイネAl感受性変異体の原因遺伝子として新規転写調節因子ART1の遺伝子を単離し、多くのAl耐性遺伝子の発現応答に関与していることを明らかにしてきた。本研究ではART1が認識するシス配列を決定し、ART1の活性化機構を通じたAlシグナル伝達機構の解明を目的とした。 22年度は、ART1が制御するAl耐性遺伝子の1つであるSTAR1のプロモーター領域において、前年度までに酵母one-hybrid法によって確かめたART1の結合部位を含む転写開始点上流-436~-297の約260bpの範囲について、ゲルシフト法によるより詳細な解析を行った。コムギ胚芽無細胞タンパク質発現系で調製したART1タンパク質とSTAR1プロモーターに基づく種々のプローブおよびコンペティターとの相互作用解析から、ART1が結合するシス配列GGN[T/g/a/C]V[C/A/g]S[C/G]を特定した。さらにこのシス配列について、タバコ葉肉細胞プロトプラストを用いた一過的発現系においてART1依存的な遺伝子発現を確認した(投稿中)。 ART1と相互作用する因子を単離するため、酵母two-hybrid screeningを行い、機能未知のタンパク質をコードする候補遺伝子1つを見出した。現在その機能解析を行っている。 前年度に作成した、ユビキチンプロモーターおよびSTAR1プロモーター制御下にART1遺伝子を高発現する形質転換イネ系統についてAl耐性等の評価を行った。これらの形質転換イネにおいてはART1およびその下流のAl耐性遺伝子であるSTAR1,STAR2などの発現が著しく増大し、またSTAR1プロモーター制御下にART1遺伝子を導入した系統では、野生型とは異なりART1の発現がAlによって増大することも確認した。しかし予想に反してこれらの形質転換系統は野生型イネ系統よりも高いAl感受性を示した。イネの高いAl耐性には耐性遺伝子群の高度なバランスが重要であると推測された。
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Research Products
(3 results)