2010 Fiscal Year Annual Research Report
放線菌を利用した新規オリゴ糖‐ポリオールトランスポーターの探索と機能解明
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21780064
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Research Institution | Shizuoka Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
齋藤 明広 静岡理工科大学, 理工学部, 准教授 (50375614)
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Keywords | トランスポーター / 放線菌 / 糖質 / キチン / BN-PAGE / PMFP |
Research Abstract |
平成21年度は,放線菌Streptomyces coelicolor A3 (2)において,msiK遺伝子が17種類の糖質の資化に必須であることを示した。一方,C末端側にヒスチジンタグを付加したMsiKタンパク質(His-MsiK)をmsiK破壊株で発現させ,ニッケル親和性クロマトグラフィーによってMsiKと相互作用すると考えられるタンパク質を得る方法の概略を確立した。平成22年度は,各種培養条件下でHis-MsiKを生産させたS.coelicolor A3 (2)細胞を破砕し,ニッケル親和性クロマトグラフィーによってMsiKと相互作用すると考えられるタンパク質を得た。得られたタンパク質試料について,条件を検討・最適化することで,Blue-Native PAGE (BN-PAGE)によって複合体をバンドとして分離することに成功した。得られた複合体バンドに含まれるタンパク質を,ペプチドマスフィンガープリンティング法(PMFP)によって網羅的に検出,同定した。コロイド状キチンを炭素源として培養した放線菌細胞を用いてこれらの解析を行ったところ,キチン分解産物の輸送に関わると推定される輸送系基質未同定の輸送系タンパク質を見いだすことができた。今後,本結果をもとに,土壌中の主要なキチン分解細菌である放線菌のキチン分解物輸送系を解明する。一方,放線菌を対象としてBN-PAGE解析を成功させた例はこれが初めてである。今後,本手法を用いることで,新規輸送系タンパク質が同定されることはもとより,放線菌の複合体解析研究が大きく進展することが期待される。
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Research Products
(4 results)