2009 Fiscal Year Annual Research Report
C_1化合物を原料にした共重合バイオポリエステル生合成のための微生物分子育種
Project/Area Number |
21780066
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
折田 和泉 Tokyo Institute of Technology, 大学院・生命理工学研究科, 助教 (70525964)
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Keywords | 共重合PHA / C_1化合物 |
Research Abstract |
微生物がエネルギー貯蔵物質として体内に蓄積するポリヒドロキシアルカン酸(PHA)は生分解性、生体適合性を示すことからとして応用利用が期待されている。本研究では、石油の代替資源として有用かつ安価なメタンやメタノールといった還元型C_1化合物を原料にして、従来の微生物ポリエステルよりもしなやかで柔軟なC_4モノマーとC_6モノマーの共重合PHAであるポリ((R)-3-ヒドロキシブタン酸-co-(R)-3-ヒドロキシヘキサン酸)[P(3HB-co-3HH_x)]を効率的に生産する微生物を育種することを目的としている。微生物育種の手法として、還元型C_1化合物を単一炭素源として生育することが出来る微生物(メチロトローフ)のうちPHA生産菌としてよく知られているMethylobacterium extorqens AM1株を元株にした代謝改変を用いた。平成21年度には、主にモノマーユニット供給の強化を目的とした代謝改変を行った。本菌がアセチル-CoAを前駆体としてC_6モノマーである3HHx-CoAを供給可能な酵素(チオラーゼやNADPH-レダクターゼ)を有しているものの、その活性が十分でないことが予想されたため、C_6基質に対しても活性を示す広基質特異性の酵素として、Escherichia coli由来FabG(NADPH-3-オキソアシル-ACPレダクターゼ)を導入することにより、アセチル-CoAの三量体化と還元による(R)-3HHx-CoA供給の効率化を図った。さらに、3HHx-CoAの前駆体となるButyryl-CoAの供給最とPHA重合能を向上させるために本菌由来クロトニル-CoAレダクターゼ(Ccr_<Me>)、Aeromonas caviae由来エノイル-CoAヒドラターゼ(PhaJ_<Ac>)、PHA重合酵素(PhaC_<Ac>)を高発現した。これらの改変の結果、FabG導入株では3HHxモノマー分率の向上は見られなかったが、Ccr_<Me>・PhaJ_<Ac>・PhaC_<Ac>導入株ではコントロール株に比べてPHA蓄積量、3HHx分率ともに1.5倍程度向上していた。
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